2023年10月11日
株式会社商船三井(社長:橋本 剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)およびMOLマリン&エンジニアリング株式会社(社長:中島孝、本社:東京都港区、以下「MOLMEC」)は、日本で初めて洋上風力発電設備支援船 Self-Elevating Platform船(以下「SEP船」)および、保守作業支援船(Service Operation Vessel、以下「SOV」)の乗組員に対するダイナミック ポジショニング(以下「DP」)システム(自動船位保持装置、註1)の操船・運用訓練サービスを開始することを決定しました。2024年中のプログラム完成とMOL DPトレーニングセンター(註2)での開講を目指します。
本訓練は商船三井グループの船員に加えて、国内外の受講希望者にも広く開かれたものとなります。DPシステム訓練施設は日本では限られており、商船三井グループは、広く門戸を開くことで2020年代後半に本格稼働が見込まれる日本の浮体式洋上風力発電事業に不可欠な各種作業船の安全運航・安全操業の実現に寄与し、ひいては脱炭素社会の創出に貢献します。なお、本事業はその意義が評価され、経済産業省資源エネルギー庁による「洋上風力発電人材育成事業費補助金助成事業」に採択されました。
商船三井とMOLMECが運用しているDPシミュレータは、既に海底ケーブル敷設船(Cable Laying Vessel)、およびアンカー作業タグ補給支援船(Anchor Handling Tug Supply Vessel)の訓練を準備しており、SEP船およびSOV訓練等新たに3つの操船・運用訓練を加え、実務に即した訓練カリキュラムを広く提供します。
商船三井は「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」に則り2050年までのネットゼロ・エミッション実現を目標に掲げ、持続可能な世界をつくるために、再生可能エネルギー事業等の推進を通じて、自社のみならず社会からのGHG排出削減にも貢献していきます。
【商船三井グループが現在取り組むDP訓練コース】
コース名 | 開講時期 | 補足 |
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1. DP操船基本コース 2. DP操船応用コース 3. DP乗船履歴短縮コース 4. DPオペレーター資格更新に必要な履歴短縮コース 5. DPの船上保守コース 6. DP資格証明更新コース |
2022年6月 |
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7. 電力ケーブル敷設訓練コース 8. アンカーハンドリング船訓練コース |
2024年3月 |
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9. DPシステム搭載のSEP船の乗組員のためのDP操船・運用(スタビリティ計算等)の訓練事業 10.DPシステム搭載のSOV船の乗組員のためのDP操船・運用の訓練事業 11.洋上風力作業で必要とされるアンカーハンドラー船などのマニュアル操船の訓練事業 |
2024年中 |
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(註1)自動船位保持装置は、風潮流などの外力を自動で計算し、船舶を定点で保持したり、予め設定したルート上を航行させることができ、海上の一点にとどまり作業をする海底ケーブル敷設船、洋上風力発電関連特殊船、ならびに海底油田関連のオフショア船などに必要不可欠なものです。
(註2)MOL DPトレーニングセンターは商船三井ビル内にあり、The Nautical Institute(本部:イギリス、以下「NI」、読み:ノーティカル インスティチュート)の認証を得た日本初のトレーニングセンターです。DP オペレーター資格取得に必須であるトレーニング修了証書の発行が可能です。
DPトレーニングについて、過去の以下プレスリリースもご参照下さい。
①2022年3月14日付
ダイナミック ポジショニング(自動船位保持)シミュレーターを商船三井本社に導入 ~海底ケーブル敷設船や洋上風力発電事業をはじめ様々な海洋開発関係特殊船の訓練に対応~ | 商船三井 (mol.co.jp)
②2022年6月7日付
ダイナミック ポジショニング(自動船位保持)訓練開講 ~海洋開発関連特殊船の訓練に対応可能な第三者機関認証を得た日本初のトレーニングセンター~ | 商船三井 (mol.co.jp)
③2022年10月18日付MOLMECプレスリリース
ダイナミック ポジショニング(自動船位保持)訓練コースを拡張~洋上風力発電関連の各種船舶訓練カリキュラムを提供~
④2023年2月6日付
経済産業省資源エネルギー庁 洋上風力発電人材育成事業費補助金公募に商船三井グループとして2件採択 ~北九州市での訓練設備導入と自動船位保持訓練コースの拡張~ | 商船三井 (mol.co.jp)
⑤2023年2月17日付
洋上風力発電事業に不可欠な新たな訓練コースについてClassNK基本承認を取得 ~DPシミュレータを使用する海洋開発関連特殊船訓練コースを拡張~ | 商船三井 (mol.co.jp)
⑥2023年6月13日付
商船三井グループが提供するダイナミック ポジショニング訓練センターで初の海外組織からの受講生を受入 ~台湾の洋上風力発電産業の発展に貢献~ | 商船三井 (mol.co.jp)
商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、グループビジョンの実現を通じて社会と共に持続的な発展を目指すための重要課題として「サステナビリティ課題 (マテリアリティ)」を特定しています。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Safety & Value -安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供」、「Environment -海洋・地球環境の保全-」、「Human & Community -人の活躍と地域社会の発展-」、「Innovation -海の技術を進化させるイノベーション-」にあたる取り組みです。