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ロシア・ArcticLNG2向け新造砕氷タンカーの定期傭船契約を締結
~本邦初の砕氷タンカーによるコンデンセート輸送プロジェクトに参画 ~

2022年02月09日

株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は、1月26日、当社100%出資子会社を通じて、PAO NOVATEK(本社:ロシア、以下「NOVATEK」)を筆頭株主とするプロジェクト会社と、ロシア・ギダン半島における「Arctic LNG 2プロジェクト」(以下「本プロジェクト」)(註1)向け輸送に参画することを合意し、新造砕氷プロダクトタンカー(以下「本船」)1隻の定期傭船契約を締結しました。本船は、中国船舶集団有限公司(本社:中国)の傘下の広船国際有限公司(本社:中国」)にて建造され、2024年に竣工する予定です。本プロジェクト向けに2020年10月に砕氷LNG船3隻の定期傭船契約を締結しており(註2)、本船はそれに続く契約となります。

本船は、主にロシア北極圏・ギダン半島のLNG・コンデンセート出荷基地から、北極海航路を経由して、主に欧州(西回り)までのコンデンセートの輸送に従事する予定です(図1)。

当社は、北極海航路への取り組みとして、2018年3月からロシア「ヤマルLNGプロジェクト」(註3)向けに砕氷LNG船3隻が北極海航路での輸送に従事しており、2023年に本プロジェクト向け砕氷LNG船3隻の竣工を予定しています。

本契約は、当社が今まで培ってきた北極海航路での輸送実績および技術的知見、ならびに蓄積したリソースのシナジーが高く評価され、契約締結に至ったものです。当社は、今後LNGに加えてコンデンセートの輸送に携わることで、北極圏航路の知見を更に高め、将来期待されるロシア北極圏からの環境負荷が低い次世代エネルギー輸送ビジネスへの取り組みの深度化を図ります。また、ロシア北極圏産エネルギーへの安定的アクセスを実現し、本邦へのエネルギー安定供給、世界の脱炭素化に貢献します。

当社は、「商船三井グループ 環境ビジョン 2.1」(註4)に則り環境課題に向き合い、今後もグループ一丸となって持続可能なGHGネットゼロ・エミッションの実現に取り組み、低・脱炭素化社会の実現に貢献していきます。

【新造砕氷タンカーの概要】

主要寸法 全長 214m、船幅 34m
貨物艙容積 54,800 m3
アイスクラス/寒冷地対応 ロシア船級 ARC7 / -50°Cを想定した寒冷地仕様
砕氷航行能力 最大砕氷能力1.5m (前進時) / 1.8m (後進時)
船首砕氷バウ構造、船尾2軸PODプロペラ
造船所 広船国際有限公司

(図1)

(註1) Arctic LNG 2プロジェクト
NOVATEK 60%、Total 10%、中国石油天然気集団(CNPC) 10%、中国海洋石油集団(CNOOC )10%、Japan Arctic LNG B.V.(三井物産が25%、独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構が75%を出資するオランダ法人) 10%出資によるロシア法人「LLC ARCTIC LNG 2」社が推進するギダン半島での大型LNGプロジェクト。2023年稼働予定。

(註2) 詳細は以下プレスリリースをご参照ください。
2020年11月02日付「ロシア・Arctic LNG 2プロジェクト向け新造砕氷LNG船3隻の定期傭船契約を締結 ~ヤマルLNGプロジェクトに続き、北極海航路関連事業への参画決定、北極海航路東回り通年航行の実現へ~

(註3) 「ヤマルLNGプロジェクト」当社取り組みにいては以下プレスリリースをご参照ください。
2014年07月09日付「ロシア・ヤマルLNGプロジェクト向け新造LNG船3隻の造船契約を締結 ~ 世界初の砕氷LNG船によるLNG輸送プロジェクトに参画、北極海航路の商業運航を実施 ~
2018年03月29日付「ロシア・ヤマルLNGプロジェクト向け砕氷LNG船“VLADIMIR RUSANOV”が積地サベッタ港で初荷役を実施 ~ 世界初の砕氷LNG船プロジェクト 当社第一船のオペレーションを開始 ~
2020年07月27日付「砕氷LNG船が日本に初入港 ~ロシア「最果ての地(ヤマル)」から北極海航路を経て日本へ~

(註4) 「商船三井グループ 環境ビジョン 2.1