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「アンモニア・液化CO2兼用輸送船」のコンセプトスタディを完了

2022年03月31日

株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は、三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:北村徹、本社:横浜市西区、以下「三菱造船」)と協働し、将来的な液化CO2とアンモニアの輸送需要に柔軟に応えるべく、この度マーケットにおいて主流となり得る船型をベースに、「アンモニア・液化CO2兼用輸送船」のコンセプトスタディを完了しました。

「アンモニア・液化CO2兼用輸送船」イメージ図

液化CO2輸送船(以下、LCO2船)は、低・脱炭素社会を実現する手段の一つとして注目されているCCUS(Carbon dioxide Capture Utilization and Storage)のバリューチェーンの中で、回収し液化したCO2を貯留地、もしくは有効利用地へ効率的に輸送する手段の一つとして重要な役割を担います。

また、アンモニアは、燃焼時にCO2を排出しない次世代のクリーンエネルギーとして世界的に関心が高まっており、脱炭素化の流れの中で、アンモニアを戦略的に活用しようという動きが世界で高まっています。

今回コンセプトスタディを完了した「アンモニア・液化CO2兼用輸送船」においても将来の液化CO2・アンモニアマーケットを想定し、2021年11月にコンセプトスタディを完了したLCO2船同様、50,000m3前後までのカーゴタンク容量を設定しています。

今後この船型をベースに、バリューチェーン全体を踏まえた顧客ニーズに柔軟に対応すべく、日本の海事クラスターと共に様々な船型の検討に引続き取り組んでいきます。

当社は2021年3月、欧州で産業向けLCO2船を30年以上管理するラルビック・シッピング社(Larvik Shipping AS、本社:ノルウェー、以下「LS社」)への出資により、液化CO2海上輸送事業に参画しました。当社がこれまで培ってきた安全運航の知見とLS社のノウハウと実績を合わせ、顧客ニーズに沿ったLCO2船の実現に向けて検討を継続し、グローバルに液化CO2海上輸送事業の更なる発展に貢献します。

当社は「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」(註1) において「2050年までにグループ全体でのネットゼロ・エミッション達成」を中長期目標として掲げ、その実現に向けて5つの戦略で臨みます。液化CO₂輸送事業を通じ、社会のGHG排出削減に貢献していきます。

【当社CCUS事業案件および関連プレスリリース】
2020年12月:豪州洋上CO2回収貯留ハブ・プロジェクト(deepC Store)に参画
2021年3月:ノルウェーLarvik Shipping社へ出資、液化CO2海上輸送事業へ参画
2021年5月:リトアニアKlaipeda港における液化CO2輸出インフラストラクチャ及び水素生産プロジェクトの共同検討に関する覚書を締結
2021年6月:国際的シンクタンク(Global CCS Institute)に参画し、CO2回収・再利用・貯留事業の展開加速を目指す
2021年6月:船舶によるCO2大量輸送に向け、大型液化CO2輸送船の研究開発を開始~日本CCS調査からNEDO事業の一部を受託~
2021年6月:アジアCCUSネットワーク発足時サポーティングメンバーに加入
2021年7月:「CCR研究会 船舶カーボンリサイクルWG」、カーボンリサイクルメタンが船舶のゼロエミッション燃料になりうることを確認 ~メタネーション技術によるゼロエミッションを目指した取り組みが学会誌に掲載~
2021年11月:「液化CO2輸送船のコンセプトスタディを完了
2022年2月: 「PetronasとCCUS向け液化CO2海上輸送事業開発の協力に関する覚書を締結

(註1) 商船三井グループ環境ビジョン 2.1
https://mol.disclosure.site/ja/themes/101