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トランジション・リンク・ローンによる2件目の資金調達を決定
~ウインドチャレンジャー搭載ばら積み船「松風丸」の建造資金に活用~

2022年10月07日

株式会社商船三井(代表取締役社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は、株式会社大島造船所(代表取締役社長:平賀英一、本社:長崎県西海市、以下「大島造船所」)と中心に共同開発した、風力を船の推進力として活用するウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)を搭載した世界初のばら積み船「松風丸(しょうふうまる)」(以下「本船」、註1)の建造資金として、トランジション・リンク・ローン(以下「本ローン」)による資金調達契約を株式会社三井住友銀行(代表取締役:髙島誠、本店:東京都千代田区)と締結しました。

本ローンは、気候変動への対策を検討している企業が、脱炭素社会の実現に向けて、長期的な戦略に則った温室効果ガス(以下「GHG」)削減の取り組みを行っている場合に、その取り組みを支援することを目的とした金融手法です。当社での本ローンによる資金調達は、LNG燃料供給船「Gas Vitality」(註2)に続き2件目となります。

当社は、「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」で掲げた目標をサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲットとして設定するトランジション・ファイナンス・フレームワークを策定しており、その適格性については、以下①~④全ての基準に準拠する旨、「DNVビジネス・アシュアランス・ジャパン」による第三者評価(註3)を取得しています。

① 国際資本市場協会(ICMA)
「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック」

② 金融庁、経済産業省、環境省
「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」

③ 国際ローン市場協会(LMA)他
「サステナビリティ・リンク・ローン原則」

④ 環境省
「サステナビリティ・リンク・ローンガイドライン」

本船は大島造船所にて建造され、本日10月7日に東北電力株式会社(取締役社長:樋口康二郎、本店:宮城県仙台市)向けばら積み船として竣工しました。本船に搭載されたウインドチャレンジャーは、1本搭載することで従来の同型船に比べおおよそ5~8%のGHG削減効果が見込め、環境負荷低減と経済性の向上に寄与します。当社グループでは、本船に加え、ウインドチャレンジャーを搭載する2隻目のばら積み船の建造が既に決定しています(註4)。

当社グループは、2050年までにネットゼロ・エミッションを達成することを目標に掲げています。本件を始めとした風を活かした省エネ技術の活用を含めた環境負荷低減策を今後もさらに推し進め、低・脱炭素社会の実現に貢献していきます。

【本船概要】

船主・運航会社 当社
全長/全幅 約235メートル/約43メートル
載貨重量 100,422トン
建造造船所 大島造船所
船籍/船籍港 日本/能代港
ウインドチャレンジャー仕様 高さ:最大約53m(4段式)
幅:約15m
帆の材質:繊維強化プラスチック

(註1) 本船およびウインドチャレンジャーについては、以下のリンクをご参照ください。

(註2) 詳細は以下プレスリリースをご参照ください。
2021年11月1日付「トランジション・リンク・ローンによる資金調達を決定~トタル向け世界最大級のLNG燃料供給船第2船の建造資金に活用~

(註3) 詳細は以下ウェブサイトをご参照ください。
https://www.dnv.jp/Images/JP_MOL_Transition_SLL_SPO_2021Oct26_publish_rev1_tcm29-210700.pdf

(註4) 詳細は以下プレスリリースをご参照ください。
2022年8月10日付「ウインドチャレンジャー搭載船2隻目のばら積み船建造契約を締結~風を船の推進力に活用し、環境負荷を低減~

【商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、事業を通じて優先的に取り組むべき社会課題として特定した「サステナビリティ課題」への対応を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献します。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Environment -海洋・地球環境の保全-」と「Innovation -海の技術を進化させるイノベーション-」にあたる取り組みです。