2019年07月19日
株式会社商船三井(社長:池田潤一郎、本社:東京都港区、以下、「当社」)と中国遠洋海運集団有限公司(China COSCO Shipping Corporation Limited、以下「China COSCO Shipping社」)の合弁会社が共同発注した砕氷LNG船(以下「本船」)の命名式が、7月18日に韓国・Daewoo Shipbuilding & Marine Engineering Co., Ltd.(以下「DSME社」)で行われました。
ヤマルLNGプロジェクトの主要株主であるPAO NOVATEK社をはじめ多くの関係者が参列する中、本船はロシアの北極域探検家・地質学者に由来する“NIKOLAY URVANTSEV”(ニコライ・ウルバンツェフ)と命名されました。本船は、2018年にヤマルLNGプロジェクトのLNG輸送を開始した“VLADIMIR RUSANOV”(*1)及び“VLADIMIR VIZE”(*2)の後続船となり、当社が同プロジェクトに投入する砕氷LNG船の最終船(当社三番船)です。本船は、7月に竣工し、ヤマルLNG出荷基地のあるロシア・ヤマル半島サベッタ港に向けてベーリング海峡を経由して北極海航路を単独航行した後、同プロジェクトに投入されます。
当社は、2014年7月にヤマルLNGプロジェクトに参画し(*3)、当社一番船の砕氷LNG船の建造は、2016年5月に開始されました。砕氷LNG船の建造にあたっては、造船所のDSME社のみならず、傭船者のYAMAL LNG社や同プロジェクトに参画する他の船会社、さらに外部コンサルタント等との度重なる協議を経て、設計・建造監督作業を進めてまいりました。本船は、2.1mの氷厚を砕く事ができる高い砕氷能力を持つだけではなく、後進での航行も可能なダブルアクティングシステムや設計温度-52°Cの寒冷地仕様など、当社の新たな技術チャレンジが凝縮された最新鋭の船(*4)です。
また砕氷LNG船に加えて、2017年6月に発表した「ヤマルLNGプロジェクト向けLNG船4隻」(*5)についても、上海の滬東中華造船(集団)有限公司(Hudong-Zhonghua Shipbuilding (Group) Co., Ltd.)で順調に建造が進められています。
ヤマルLNG出荷基地では、2018年12月より第三系列からの生産も開始しており、プラントは現在フル稼働しています。また2019年内に第四系列の増設も計画されています。
当社は、ヤマルLNG出荷基地からの安定的なLNG輸送に貢献していくと同時に、砕氷船・北極海航路のトップランナーとして、今後さらなる拡大が予測される北極圏からのエネルギー資源輸送・製品輸送の需要に貢献できるよう積極的に取り組んでまいります。
7月18日に執り行われた命名式の様子
今回命名された“NIKOLAY URVANTSEV”
【“NIKOLAY URVANTSEV”要目】
(1)全長 | 299.0m |
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(2)全幅 | 50.00m |
(3)満載喫水 | 12.00m (氷海航行時) |
(4)LNGタンク | メンブレン型 |
(5)貨物タンク容量 | 172,000m3 |
(6)アイスクラス/仕様 | ロシア船級ARC7 / 極寒地を対象とした特別仕様 |
(7)砕氷航行能力 | 船首砕氷バウ構造、船尾3軸PODプロペラ 最大砕氷能力 氷厚2.1m (後進時) |
(8)建造造船所 | DSME |
(9)船舶管理会社 | MOL LNG Transport (Europe) Ltd. |
(10)保有比率 | 当社 50% / China COSCO Shipping社 50% |
(*1) 詳細は2018年3月29日付プレスリリース「ロシア・ヤマルLNGプロジェクト向け砕氷LNG船“VLADIMIR RUSANOV”が積地サベッタ港で初荷役を実施~ 世界初の砕氷LNG船プロジェクト 当社第一船のオペレーションを開始 ~」をご参照ください。
(*2) 詳細は2018年9月12日付プレスリリース「ロシア・ヤマルLNGプロジェクト向け新造砕氷LNG船“VLADIMIR VIZE”と命名 ~世界初の砕氷LNG船プロジェクトに当社2番船として投入 ~」をご参照ください。
(*3) 詳細は2014年7月9日付プレスリリース「ロシア・ヤマルLNGプロジェクト向け新造LNG船3隻の造船契約を締結 ~世界初の砕氷LNG船によるLNG輸送プロジェクトに参画、北極海航路の商業運航を実施~」をご参照ください。
(*4) 砕氷船に搭載されている特殊仕様詳細は、弊社HP「ヤマルLNGプロジェクトへの参画」をご参照ください。
(*5) 詳細は2017年6月29日付プレスリリース「ロシア・ヤマルLNGプロジェクト向けLNG船4隻の長期定期貸船契約を締結」をご参照ください。