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NEDO事業の研究開発を通じ、大型液化CO2輸送船の設計基本承認(AiP)を取得

2022年08月23日

株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「当社」)はこの度、一般財団法人 日本海事協会(会長:坂下広朗、本部:東京都千代田区)より大型液化CO2輸送船の設計に関する基本承認(Approval in Principle、以下「AiP」)(註1)を取得しました。

(大型液化CO2輸送船のイメージ図)

(AiP証書)

当社は2021年6月に、日本CCS調査株式会社(代表取締役社長:中島俊朗、本社:東京都千代田区、以下「JCCS」)が国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)から委託された「CCUS研究開発・実証関連事業/苫小牧におけるCCUS大規模実証試験/CO2輸送に関する実証試験」に係る公募事業の一部である大型液化CO2輸送船の社会実装に関する研究開発をJCCSから受託しました。

今般AiPを取得した大型液化CO2輸送船は、NEDOが2030年までに社会実装を目指すCO2回収・有効利用・貯留(CCUS:Carbon Capture, Utilization and Storage)において、年間100万トン規模の長距離・大量輸送の実用化に向けて設計されたものです。


「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」(註2)において、当社は「2050年までにグループ全体でのネットゼロ・エミッション達成」を中長期目標として掲げ、その実現に向けて5つの戦略で臨みます。当社は本実証プロジェクトでの技術開発を通じ、液化CO2輸送への取組みを更に加速させ、低・脱炭素社会への実現に貢献します。

(本実証プロジェクト概念図 出典:NEDO)


【NEDO概要】

機構名:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
設立:2003年
代表者:石塚博昭
所在地:(本部)神奈川県川崎市
事業内容:技術開発マネジメント関連業務 等


【JCCS概要】

社名:日本CCS調査株式会社
設立:2008年
代表者:中島俊朗
所在地:(本社)東京都千代田区 (苫小牧CCS実証試験センター)北海道苫小牧市
事業内容:CO2の分離・回収、利用、輸送及び地中貯留技術の調査、研究開発、事業化調査、実証試験


【当社CCUS事業案件および関連プレスリリース(含、NEDO関連事業)】
2020年12月:豪州洋上CO2回収貯留ハブ・プロジェクト(deepC Store)に参画
2021年3月:ノルウェーLarvik Shipping社へ出資、液化CO2海上輸送事業へ参画
2021年5月:リトアニアKlaipeda港における液化CO2輸出インフラストラクチャ及び水素生産プロジェクトの共同検討に関する覚書を締結
2021年6月:国際的シンクタンク(Global CCS Institute)に参画し、CO2回収・再利用・貯留事業の展開加速を目指す
2021年6月:船舶によるCO2大量輸送に向け、大型液化CO2輸送船の研究開発を開始~日本CCS調査からNEDO事業の一部を受託~
2021年6月:アジアCCUSネットワーク発足時サポーティングメンバーに加入
2021年7月:「CCR研究会 船舶カーボンリサイクルWG」、カーボンリサイクルメタンが船舶のゼロエミッション燃料になりうることを確認 ~メタネーション技術によるゼロエミッションを目指した取り組みが学会誌に掲載~
2021年11月:液化CO2輸送船のコンセプトスタディを完了
2022年2月:PetronasとCCUS向け液化CO2海上輸送事業開発の協力に関する覚書を締結
2022年3月:「アンモニア・液化CO2兼用輸送船」のコンセプトスタディを完了

(註1) Approval in Principle
船級協会が船舶の基本設計を審査し現状の規則やガイドラインに照らして、成立性・安全性を満たすと承認されたことを示したもの。

(註2) 商船三井グループ環境ビジョン 2.1
https://www.mol.co.jp/sustainability/environment/vision/index.html

【商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、事業を通じて優先的に取り組むべき社会課題として特定した「サステナビリティ課題」への対応を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献します。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Safety & Value 安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供」、「Environment 海洋・地球環境の保全」および「Innovation 海の技術を進化させるイノベーション」にあたる取り組みです。